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青森ひばの超能力
植物が長い進化の過程で自分に害を及ぼす腐朽菌や食害昆虫などから身を守るため、それらを殺す物資を作るように進化してきました。植物が傷つくとその周囲にある生物を殺す物質を出すという発見をソ連のトーキン博士が発表し、その現象を「フィトンチッド」と呼びます。フィトンは「植物」、チッドは「殺そうとするもの」という意味であり、その物質は植物の種類ごとに異なる物質を作り、青森ひばは青森ひば特有の物質を作り出しています。特有の物質を有する青森ひばの特性は、現代人に多大な利用の可能性を秘めています。
シロアリに強い

耐シロアリ図 シロアリによる木造建築物の被害が問題となっているが、青森ひばの耐蟻性が宮崎大学農学部の清水薫教授らの研究グループによって証明されている。この実験に使われたシロアリは、世界の中でも強烈な可外力で知られているイエシロアリで、ヤマトシロアリは土台や柱の下部の被害が多いのに対してイエシロアリは天井裏の梁まで食い荒らすほどである。実験の結果クロマツは心部まで食い荒らされ60%近く減量するほどの食害があり、シロアリに強いとされているヒノキでさえ食害されたのに対し、青森ひばはまったく被害を受けなかった。

 宮崎大学ではシロアリにもっとも強かった木である青森ひばについて忌避性(嫌って避ける)と殺蟻性についての実験を行い、青森ひばは、他の樹種には見られない強い忌避物質を持つと結論づけている。また、殺蟻物質も持っていて材中にシロアリを挿入した場合製材後1年のもので120時間で100%が死滅し、製材後6年を経たものでも、240時間後には100%の死虫率であったという。このことから青森ひばの殺蟻成分は長期間にわたって材中に存在することが明らかになったという。青森ひばがシロアリに強いのはシロアリを寄せつけず、たとえついても殺す成分があるからである。

(青森ひば物語:1996、写真:宮崎大学農学部応用昆虫学研究室実験)

腐りにくいひば

耐朽度図 木造住宅に最も大きな被害を与えるのはシロアリであるが、その次に困るのは木材を腐らせる菌類である。木材を栄養源とし、そのために木を腐らせる。細菌類や菌類(カビ類・キノコ類)などの木材腐朽菌に対して強い木はその木が木材腐朽菌に強い抽出成分を持っているからといわれている。ワタグサレタケによる木材の耐朽性の実験データ(青森ひば材:青森営林局 1962)から青森ひばの木材腐朽菌に対して、抜群の強さを示す結果が出ている。
「きのこと木材」高橋旨象」(1989)によると建築主要樹種31種の耐朽性と耐蟻性をそれぞれ比較したものがあり、それによると耐朽性及び耐蟻性ともに大であるのはひばのみで実験材中最も優れていた次に耐朽性が大で耐蟻性が中のものは天然ヒノキ、ケヤキ、クリ、ベイツガであった。
 同書ではヒノキは昔から日本を代表する優れた木であり、耐朽性も耐蟻性にも評価があったが、それらの評価は天然木によって得られたものであり、造林ヒノキが材質や耐朽耐蟻性で同様の評価が得られるかどうかまだ明らかではないと書いているが、実際に造林ヒノキにあらわれる点で劣ると考えられる。

(青森ひば物語 1996)

カビを寄せ付けない

耐カビ図 青森ヒバ材の抗菌活性を青森県工業試験場のヒバ油プロジェクトチームによる実験によると、まず青森ヒバをはじめ通常建材として使われている7種(ヒノキ・スギ・ブナ・ベイマツ・カラマツ・アカマツ・スプルース)の材の木口面を上下に縦5cm、横3cm厚さ0.5cmの直方体に切り出し、これをサブロー寒天培地(栄研)に黄色コージカビの胞子を塗布したものの上に置き温室で10日間の培養した結果は、写真のとおり、青森ヒバの周囲には全く菌が生えず、他の材には見られない強い抗菌力を示した。

(青森ヒバの不思議)

抽出物質
ヒバ油成分  青森ヒバ材の腐りにくく、シロアリに強く、抗菌力を持っていることは、昔から知られているが、それは青森ヒバに含まれる成分によるものといわれている。その木材成分を抽出したのが青森ヒバ精油である。
青森ヒバ精油は100kgの青森ヒバ材から僅か1kgしか得られない貴重なもので、成分は右記の成分表のとおりである。中性油の中身は殆どツヨプセンというヒバの木のにおい成分であり、酸性油の中には、天然物質としては極めて優れた抗菌性を有するヒノキチオールやβドラブリン等が2%含有している。ヒノキチオールはヒノキにも含まれていると多くの人が誤って覚えているが、ヒノキには全く含まれておらず、ヒノキチオールの名称はタイワンヒノキから発見された事から由来するものである。ヒノキチオールの含有率の最も高いのが青森ひばである。

(青森ヒバの不思議)

抗菌効果
抗菌試験図 青森ひば油にはカビなどの多くの菌に対する抗菌性があることが判っています。この力は青森ひば精油に含まれるヒノキチオール等の成分によるもので、ヒノキやスギ等の樹木に比べて抜群の効果を発揮します。また、抗菌スペクトルが非常に広いこと、カビや腐朽菌に対して特に活性が高いこと・耐性菌の出現を許さないという特徴がある。下の表は青森ヒバ精油と精油から分離したヒノキチオールの各種菌類に対して効果を発揮する最も少ない濃度を示しています。黄色ブドウ球菌を例にとると、1リットル中には青森ヒバ精油が僅か0.8g入っていれば黄色ブドウ球菌が近寄ることができません。
ヒバ油およびヒノキチオールの各種菌類に対する最小発育阻止濃度
菌  種 最小発育阻止濃度
ひば油 ヒノキチオール
黄色ブドウ球菌 800 100
連鎖球菌 400 100
大腸菌 3,200 100
緑膿菌 3,200 200
霊菌 6,400 100
プロテウス菌 3,200 100
肺炎樟菌 3,200 100
枯草菌 400 50
サルモネラ菌 1,600 -
黄色コウジカビ 3,200 25
黒コウジカビ 1,600 -
リンゴ腐乱病菌 1,600 50
紫紋羽病菌 1,600 -
ブドウ灰色カビ 3,200 100
カワラタケ 3,200 25
ウェルシュ菌 - 100
長イモ根腐病菌83-180 - 50
オオウズラタケ - 25
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